本を出し終えた背の高い本棚は、つい「空になったから動かせる」と考えがちです。しかし、回収相談で伝えたいのは重さの予想だけではありません。本体の外形、棚板や扉の状態、背板、壁との固定、そして出口までの経路が判断材料になります。
構造が分からないまま一人で傾けたり、固定金具を外したりする必要はありません。見える範囲で確認できたことと、確認できなかったことを分ければ、無理に動かさなくても相談内容を整理できます。
本体の寸法は、動かさず取れる範囲で測る

採寸するのは、幅・奥行・高さの3方向です。数字だけでなく、どこからどこまで測ったかも添えると、扉や飾り板を含む寸法なのかが伝わりやすくなります。
幅・奥行・高さは外形に合わせる
幅は左右の最も張り出した部分、奥行は背面側から前面側まで、高さは床から最上部までを確認します。取っ手、扉、天板の飾りなどが本体より出ている場合は、張り出し部分を別に伝えます。
壁に接していて背面側へメジャーを回せないときは、本棚を前へ引き出さないでください。側面から測れる範囲にとどめ、「背面側は未確認」として構いません。上端へ手が届かない場合も、椅子や不安定な台に乗らず、製品情報で補えるかを後から確かめます。
- 幅・奥行・高さの単位をそろえる
- 扉を閉じた状態か、開いたままかを書く
- 取っ手や飾り板などの張り出しを分ける
- 測れない箇所は推測値にせず「未確認」とする
数値には本棚の現在の状態を添える
扉が閉まらない、棚板が外されたまま、床との間に台座があるといった状態も、寸法と一緒に伝えます。同じ数値でも、出っ張りや開閉状態によって搬出時の外形が変わるためです。写真を撮るなら、メジャーの数字だけでなく、本棚全体と測っている位置が一枚に入る構図も残します。
棚板・扉・背板・壁固定を別々に見る

背の高い本棚は、一見似ていても内部の構造が同じとは限りません。「棚板は全部外せるはず」「背板を取れば軽くなるはず」と決めず、部位ごとに見える状態を確認します。ここでの基準は、見える事実と未確認を分けることです。
棚板は枚数と支え方を見る
棚受け部品の上に載っているように見える棚板、側板につながっているように見える棚板を分けて数えます。前から見ただけでは判断できない場合は、「棚板5枚、うち可動式に見えるもの3枚、残りは未確認」のように表せます。
固く動かない棚板を引っ張ったり、工具を入れて外したりする必要はありません。棚板がすでに外れている場合は、本体とは別に何枚あるかを伝えます。
扉と背板は材質より先に状態を確認する
扉は開き戸か引き戸か、枚数、取っ手の張り出し、ガラス部分の有無を見ます。扉が傾いている、開閉しにくい、部品が外れている場合は、無理に開閉せず現在の状態を伝えてください。
背板は、正面や安全に見られる側面から、背板があるか、浮きや外れが見えるかを確認します。壁との隙間へ手や顔を入れたり、背面を見るために本棚を動かしたりする必要はありません。
壁との固定は外さず、位置と形だけを見る
上部に金具が見える、ベルト状の部品がある、壁側へ何かがつながっている、といった状態をそのまま伝えます。金具の種類や固定方法を断定できなければ、「上部右側に金具らしい部品あり」のような説明で十分です。
製品固有の例では、IKEAのBILLYの商品ページに、商品番号、製品サイズ、壁固定に関する注意が掲載されています。これは商品番号204.927.75の製品情報であり、すべての本棚が同じ構造という意味ではありません。
本棚がすでに傾いている、固定部や壁に損傷が見える、触れると不安定に感じる場合は、それ以上確認しようとせず周囲へ近づかないようにしてください。その状態も相談時に伝えます。
商品番号と公式説明書で、見た目の推測を減らす

メーカー名や商品番号が分かれば、外観だけでは判断できない製品情報へたどり着ける場合があります。ただし、ラベルを探すために本棚を動かすのは避け、手元の資料と安全に見える場所から確認します。
購入時の情報から探してもよい
本体の内側や側面に見えるラベルのほか、購入メール、納品書、説明書、通販サイトの注文履歴、組み立てた当時の写真も手掛かりになります。メーカー名、シリーズ名、商品番号は、表示されているとおりに控えます。
家具によって表示場所は異なります。背面にラベルがありそうだと考えても、確認のために背の高い本棚を引き出したり、倒したりしないでください。見つからなければ「商品番号不明」と伝えられます。
説明書は製品を特定できたときだけ参照する
メーカーの公式サイトに説明書がある場合は、棚板や固定部品を確認する補助になります。IKEAには組立説明書を確認する公式ページがあります。
似た外観の別製品の説明書を流用せず、商品番号が一致するかを確かめます。説明書が見つかっても、回収前の分解手順だと自己判断せず、相談時に製品情報として伝えるところまでにとどめましょう。
搬出経路は本棚とは別の寸法として伝える

本棚の寸法だけでは、部屋から建物の外までの経路は分かりません。設置場所から玄関まで実際に通る順番で、出入口、廊下の曲がり角、階段やエレベーターを確認します。
開口部と曲がる場所を確認する
室内ドアは扉そのものの幅ではなく、開けたときに通れる開口部を測ります。廊下は最も狭い場所、曲がり角は本棚の向きを変える余地があるかを写真と寸法で伝えます。床に置かれた荷物など、移動できる障害物がある場合も書き添えます。
階段を通る場合は、階段幅、踊り場、低くなっている天井、手すりなどを見ます。エレベーターを使う予定なら、入口の開口部と内部の寸法も別にします。数値だけで搬出の可否を決めず、「階段あり」「途中に直角の曲がり角あり」といった条件も残してください。
相談文では未確認事項も一緒に並べる
- 本体:幅__cm×奥行__cm×高さ__cm
- 棚板:__枚、可動式か未確認
- 扉:開き戸/引き戸/不明、ガラス部分の有無
- 背板:あり/なし/見えず未確認
- 壁固定:あり/なし/上部が見えず未確認
- 商品番号:判明/不明
- 経路:室内ドア、廊下、階段、エレベーターの寸法と写真
依頼前の一般的な疑問を確認したい場合は、よくある質問を参照できます。本体と搬出経路の情報がそろったら、確認できなかった箇所も消さずにお見積り依頼フォームへ記載してください。
本がなくなった状態は、すぐに倒したり分解したりする合図ではありません。幅・奥行・高さ、棚板、扉、背板、壁固定、商品番号、出口までの経路を一つずつ確かめ、分からない部分は未確認のまま伝えることが、回収相談の準備になります。